報酬について
初心者の先生方でいちばん悩むのは「報酬」と思われます。もっともなことです。
初心者だからといって低額でよい、などということはありません。「3年は報酬を請求するな」と言う先輩がいます。これはまったくの誤りです。
事務所経営で最も困難なことは営業と集金です。中でも集金が最大の難関です。
事務所を継続する上では確実な集金こそ重要です。業務そのものは調べたり教えてもらうことでなんとか遂行できます。しかし営業と集金だけはご自分がなさらない限り困難です。
私の1件目の相続は8千万円の遺産でした。報酬は150万円請求し集金しました。私が知っている限り、1件目の業務で100万円以上報酬を得た方はいません。
それどころか、相続財産が高額ですと断ってしまう方がいるほどです。これでは生活も事務所の運営も不可能です。残念ながら。
10年20年と継続している行政書士は、ボランティアや社会貢献ではなく、堅実に営業として行っています。だからこそ永く続けられているのです。
○○の業務報酬はどの程度請求すればよいのか、と迷ったときは、その分野の専門家にたずねてください。今はホームページを検索すれば様々な事務所の報酬額が掲載されています。一目瞭然です。
しかしながら、その分野の専門家、プロであるかどうかは不明です。あまり惑わされないでください。
しかもホームページの報酬額は営業用に作成されているため、実際には追加料金が加算される場合が多いものです。
また、報酬をたずねられて即答できない方はその道の専門家とは言えないようです。
初心者の方は大変かと思いますが、1件目の業務を低額で受けてしまうと、その報酬が基準となってしまい、そこからなかなか脱出できません。練習になればよい、といって無報酬など論外です。困難な集金を排除してはとても経営者にはなれません。
私どもは専門家であると同時に経営者であることも忘れずに対応してください。
来年もがんばりましょう! 塾長 黒 田 広 史