とにかく3年!

 寒かった1月2月が過ぎて、3月の声を聞くとどことなくほっとします。あたたかな日が増えますし、新しい事が始まりそうな、実際始まるわけですから年齢を重ねてもうれしく感じます。
 入塾された先生方の多くも4月開業をめざして準備されていることと思われます。そして、事務所の看板を出せば依頼は舞い込み、それこそ処理できないくらいになるだろう、との期待を持っているでしょう。
 そのくらいの望みがなければとても「独立開業」など踏み切れるものではありません。しかしながら、残念ながら世間はそんなに甘くはないのです。資格があるから仕事が来る、は無理でしょう。
 自宅開業でも開業資金は必要です。パソコンやスマートフォンはすでにあるとしても、ホームページの作成や必要な図書、開業あいさつ状からコピー機(ファクス)までも含めれば150万円から200万円はかかります。
 そこまで投資しても電話も鳴らなければ相談者も来ない。1カ月経っても1件の依頼もない。ご自分が何も営業していないのに、不安になって来る。するとどうなるか。早い方は3カ月程度で廃業してしまう。手持ち資金のある方でも1年が限度。
 営業もしない、チラシも配らない、無料相談会や相続講演会もしない。これでは行政書士となって事務所を開いた、ということを何人の方が知っているでしょうか。
 まずは3年。3年は何らかの方法で生活を継続して行政書士事務所を維持することを考えてください。相撲界での話ですが、「3年先の稽古(けいこ)」という言葉があります。今日の稽古が実るのは3年後。同様に今日の営業が反映するのは3年後なのです。
 開業してすぐに依頼される幸運な方もいらっしゃるでしょう。しかし、大半は1年目の依頼は0です。私の1年目は3件でした。それでもあいさつ状を送り、開業あいさつに訪問し、約1000枚の名刺を配った結果です。事務所に1日中座ったままでは1件の依頼もなかったでしょう。
 開業当初は残念ながら時間を持て余す日が多いものです。その時間をぜひ営業にあててください。外出するときは必ず着替えて行政書士バッジをつけ、常にカバンを持つようにして業務中であるような演出も大切です。
 知人、友人そして同業者に会ってたずねられたら、「おかげさまで少しずつですが依頼されています」、と答えることです。「依頼はまったくありません」、などと答えないことです。客のいない店には客は入らないのです。
 1年目は誰でも大変です。しかし、1年目を乗り越えなければ2年目は来ません。まずは3年間、がんばってください。


2023/09/19

 今年は夏祭が開かれた町内会も多かったのではないで ...>>続きを読む



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