開業!それでは具体的には何を?
この4月から開業された方は多いと思われます。
登録、開業。事務所も構えた、看板も出した(自宅開業でも目立つ看板を!)必要な図書もそろえた、コピー機も買った、パソコンやスマートフォンはもちろんある。だが、依頼は来ない。それでは何をすればよいか。
このような先生方はいらっしゃるかと思い、私の体験から少しお話ししたいと思います。
①開業あいさつ状は出しましたか?
まずはこれです。
つまり先生が行政書士となって事務所を開業した、ということを1人でも多くの方々に知ってもらうことです。
そのためには知っているかぎりの方々に開業あいさつ状を出してください。これにはハガキが一番。封書よりも低額ですし、保存しておいてもらえる可能性が高いのです。
そして、事務所名は表に大きく(ハガキの3分の1程度)記載し、業務内容も書き入れることです。
残念ながら行政書士は弁護士や税理士、司法書士に比べて知名度が低く、何をしている事務所なのかわかってもらえないのです。
ですから、業務内容を必ず記載してください。
②あいさつ状はどこへ出すか?
これもなかなか難題かも知れません。
私が開業したころは「個人情報保護法」はありませんでしたから、かなり自由に住所・氏名は知ることができました。
労働組合の役員をしていた関係上、組合員の住所録をもらえましたので、これだけで400名ほどになりました。町内会名簿も利用できましたし、友人、知人、親類、買い物先など、知っているかぎりの人々へあいさつ状を送りました。その枚数は約1000通です。
ここまで努力しても依頼は3件。営業がいかに大変かおわかりいただけると思います。
③開業祝賀会を開く
懇意にしているお店があれば、ぜひ祝賀会を開いてください。
親類と士業関係(税理士)は料理店で行ない、友人・知人関係はカラオケのないスナックで行ないました。
費用を心配される方もいらっしゃるでしょうが、親類等の場合は必ずお祝い金を持参してくれます。したがってこちらはお返しも用意しておきます。また、スナックの方は会費制(3000円)にして参加しやすくしました。不足分は当然ながら当方で負担します。
準備も大変ですが、すべて営業です。参加してくれた方々の記憶に残りますから必ず実を結ぶときが来ます。
④名刺を忘れない。
これもたいせつです。外出するときはどのような場所へ行くときも名刺を持参することを忘れないでください。買い物でも、食事でも、飲食店へ行くときも、また私は趣味で紙ヒコーキを飛ばしに行くのですが、そのようなときも名刺は持ち歩いています。
⑤外出するときは着替えて
自宅開業でも事務所らしく演出する工夫は必要です。
それと同様に外出するときはスーツに着替えてカバンをさげ、業務で出かけるように見せる工夫をしてください。
買い物でも通院でも、飲食店へ行くときでも同様です。それらしく見えること自体が営業なのです。そのようにしていると途中で会った方が突然、「ちょっと聞きたいことがあるんだが」、などと相談されることがあります。簡単なことでしたらその場で対応できますが、複雑な場合は事務所へ来てもらうようにしてください。
思いがけず依頼に結びつくこともあるのです。服装もりっぱな営業です。
また、自宅事務所であっても昼間は着替えて在宅してください。
⑥名入れタオルの作成
事務所名入りのタオルの作成をおすすめします。
あまり低額の品物ですと見栄えがよくありません。少し厚めのタオルですと高級感がありますので、そちらをおすすめします。やや高額になるかもしれませんが、カラーであればなおよいと思われます。
税理士さんの有名デパートの高級タオルには驚いたことがあります。
以上、私が実行して来た事柄をいくつか述べました。ひとつでもこれは、と共感できることがあれば今から実行してください。1日伸ばしにしないことが重要です。
私どもはほぼ強制されません。ですから最大の敵は1日伸ばしです。これを繰り返すと明日やればいいが1カ月先になり、3カ月先になり半年後、そしてまたたく間に1年先になってしまうものなのです。注意してください。
先生方のご活躍を願っています。がんばってください。
(202204)
塾長 黒 田 広 史